工藤庸子, 放送大学教授,
eternel imparfait

「初歩のベトナム語」と「フランス文化紀行」

2008年 1月 29日

「外国語学習と異文化理解」のサイトに「初歩のベトナム語」と「フランス文化紀行」が立ち上げられました。

フランス語教材については2007年10月23日「教材制作の舞台裏」に予告を書きました。オートリーヴという田舎町の郊外に出現した「シュヴァルの理想宮殿」が第一の舞台です。まだ枠組みが出来たという程度。これを本格的な語学教材に発展させるのは、来年度の課題となります。

「初歩のベトナム語」の教材制作を担当してくださったのは、面接授業の講師、小川有子さんと吉本康子さん。じつに有能でセンスがよくて、ネイティヴの留学生たちとの音声収録など、お手伝いしたわたしにも、楽しい経験でした。

自慢するようですが、若手研究者たちの制作する放送大学の教材には、ほかでは真似のできない「学問的」な価値があります。お二人が長年のフィールドワークで収集した貴重な画像をふんだんに公開してくださいました。次回、夏の集中講義の授業では、言葉と文化を往来する知的な対話がかわされて、学習センターの教室が「時間と空間の旅」への誘いとなることでしょう!

以下は、小川さん、吉本さんが、このサイトに寄せてくださった紹介文です。

「初歩のベトナム語」のウェブ教材について
放送大学面接授業担当講師 吉本康子 小川有子

080129nhatrang 〈ニャチャン〉
080129hataori 〈機織〉
080129sumo 〈相撲〉

一昔前までは戦争や難民といったイメージが強く、渡航することさえ難しかったベトナム。今では、ドイモイによる市場経済の導入と対外的な開放化により、たくさんの外国人が訪れるようになりました。日本からも一年間に30万人以上がベトナムを訪れているといいます。ベトナムを旅した人からは、「ベトナム語の発音は難しい!通りの名前も通じなかった」といった声をよく耳にします。

ところで、ベトナムといっても、その様相は決して一様ではありません。まず、ベトナムにはそれぞれ異なる言語を話し、独自の文化をもつ54もの民族が暮らしています。また、料理の味付けにしても、あっさりしょっぱい北部、辛味の強い中部、甘酸っぱい南部というように、地方ごとに異なっています。

もちろん、言葉も随分違います。一般的に、標準語は首都ハノイがある北部の言葉だといわれます。そのため日本でも北部のベトナム語を学ぶ人が多いようです。しかし北部の言葉を学んでも、南部のホーチミン市に行くと「え、勉強したのに聞き取れないし通じない!」といったことが珍しくないのです。

今回制作した教材では、ベトナム語を学び始めたばかりの人を対象に、身近な場面でよく使われる表現を学んでいただくだけでなく、ベトナム語の多様性も知っていただけるよう工夫しました。そのため、全ての単語、会話に、北部と南部両方の発音を収録しています。

教材の内容は、「ベトナムの人々」、「日常生活」、「ベトナムの国土」の三部構成になっています。「ベトナムの人々」では、ベトナムの文化と言葉を学ぶ時には欠かせない民族の名前や人の呼び方を、「日常生活」では、朝起きてから夜寝るまでのあいだによく使われる表現を学ぶことを狙いとしました。「ベトナムの国土」では、ベトナムの地名や観光地とともに、北部から南部にかけての美しい景色がたくさん出てきます。ベトナム縦断の旅に出たような気分を味わっていただきたいと思っています。

教材のなかで用いている素材は、1990年から現在までのおよそ17年間に撮影した写真です。なかには今ではもう見られない町並みや風景があるかもしれません。時間と空間を旅しながら、ベトナム語を楽しく学んでいただけることを願っています。

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