工藤庸子, 放送大学教授,
eternel imparfait

古今

2007年 5月 20日

青葉のまばゆい季節になりました。このHPを立ち上げて2ヶ月。Web空間というのは抽象的なようでいて思いがけず人の気配があるものなのですね。昔、豊崎光一先生のゼミ生だったという方からお便りをいただきました(cf「手を変え品を変え」)。

場所は学習院大学目白キャンパス北2号館。わたしは三〇代の新米教師でした。階下でたまたま豊崎先生にご挨拶すると、何やら貴重な沈黙にみちたエレベーターで二人向き合ったままするすると研究室まで運ばれてゆき、そこで止めどなくあふれる篠沢秀夫先生の言葉に迎えられ、やがて辻邦生先生が女子学生から捧げられた真紅の薔薇を手に登場なさる。映画の風景のような思い出の断片です。

フランス文学だけで一生が満たされると信じていたあの頃からすると、演じる役割は複雑になりました。ここ10年ほどの「大学の仕事」をふりかえってみると、その比率は外国語・地域文化研究・文学という順番になるでしょう。「書斎の愉しみ」は文学・地域文化研究・外国語という順番にしたいところですが、これは引退しなければ無理。

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