工藤庸子, 放送大学教授,
eternel imparfait

「引用の技」と「ふまえる」こと ―― レポートの書き方

2007年 5月 3日

「世界の名作を読む」の履修者は、学期半ばの通信指導問題が気にかかりはじめたころでしょう。あまり深刻にならず、ナボコフ先生やナフィーシー先生の講義に参加していると想像してみたら?

あなたも「良き読者」になってみましょう。教材はそのための手引きです。
ただし。作品を読むだけでなく、大学のレポートを書くことが、あなたの課題であるはず。講義を聴いて教材を理解したことを示してください。

1.カギ括弧が引用のマークであることはご存じですね。作品や教材や参考文献にあるキーワード、あるいはこれぞと思う言い回しや文章を、括弧つきで引用してメリハリをつけましょう。

2.どの文献の引用であるかを明記することは、基本的なマナーですが、本文中に書く、括弧に入れる、注にする、さりげなく示唆する、等、さまざまの方法とコツがあります。

3.長文の引用は論文執筆には欠かせない技法です。たかが千字ぐらいのレポートや答案では無理ですが、文献の重要な一節を10行、20行と引用することもあります。その場合、改行してさらに1行空けるなどの視覚的な差異化が必要です(このサイトでは、さらに左に2字分の余白を置いています)。

4.いちばん大切なのは、語彙にせよ、言い回しにせよ、節にせよ、引用が論者の思考の流れのなかで活かされているかどうかということ。この話は、深入りすると卒業研究や大学院の論文指導になってしまいそう。引用の技を習得することは、人文学の究極の課題のひとつとさえ言えるのです。

5.あたりまえのことですが、引用のマークがないところ、つまり地の文は「まる写し」ではないというのが、執筆の礼儀です。自分の言葉で書くようにつとめましょう。

6.「ふまえる」ように指示すると、印刷教材のあちらこちらを抜粋してつなげただけの答案が時々でてきます。ひょっとして、どこかで、そんな愚かな指導がなされているのでしょうか。

あらかじめ宣言しておきますが、「コピペ」は「不可」です!

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